Triumph Street Twin & Bonneville T120

 今日はトライアンフを2台、試乗してきた。

 キーホルダーがいただけるキャンペーンに釣られて、というのもあるが、質実剛健なドイツ車を離れて独自の世界を行くイギリス車の世界を覗いてみたくなったのだ。

 実はイギリス車を試乗するのは今回が初めてではない。確か10年ほど前になるだろうか。Tiger800というデュアルパーパスに試乗した。この時初めて3気筒エンジンというものを体感したのだが、笛を吹いているような独特のエンジンサウンドが印象的だった。車体は非常に軽く、乗りやすかったのを覚えている。

 今回は3気筒エンジンではなく、トライアンフ伝統のバーティカル・ツインエンジンだ。ボンネビル系のエンジンには以前から興味があった。ボンネビルといえば900ccのイメージだが、トライアンフは1200ccの新エンジンも出してきた。本当は900ccのT100に乗ってみたくて試乗予約をしたのだが、これは現在置いていないということで同エンジンのStreet Twinと、1200ccではあるがT100と酷似しているボンネビルT120を2台続けて試乗してみることとなった。

Street Twin

水冷並列2気筒SOHC、270°クランク、900cc。

65ps/7500rpm, 80Nm/3800rpm

車両重量217kg, シート高765mm, タンク12L

フロント18inch, リア17inch

 見ての第一印象は、非常に小ぶりな車体だ。知らない人が見たら400ccかと思うだろう。しかし跨って引き起こしてみると、ずっしりと重い。ハンドル幅が広くないことも深く関係しているとは思うが、それなりのエンジンを積んでいることを思わせる。数字以上に重く感じた。

サウンドは想像を裏切られた。重厚でジェントル。この小ぶりな車体から到底発せられているとは思えない迫力がある。そして900ccということを認識させられる。コンパクトな見た目+ビッグなエンジンは個人的に好みだ。

跨ってみる。低くスリムなシートのおかげで足つきは良い。ただ、私の身長は165cmで両足の半ばまで足は着いたものの、シート高の数字ほどは良くないと思った。足の位置はステップの前になる。アクセルを何度か煽ってみる。アクセルレスポンスは特に癖は見当たらず、素直だ。扱いやすいと感じた。

発進させてすぐに思ったことは、ハンドルの形とシートが自分に合わない、ということだった。ハンドルはバーハンに近いところがあって、もう少し角度が欲しいところだ。シートはお尻に当たる中心部分と後半が盛り上がっている感じがするので、もう少し平らにしたい。このシートで長距離を走ろうとは思わなかった。

走りの方はというと、さすが900ccだけのことはある。低速からトルクがモリモリで、アクセルをガッと開けると猛烈な勢いで車体を前へ進める。トランスミッションは5速。それほどクロスしておらず、街乗りで扱いやすい印象だ。少し焦ったのは左折時だった。いつもは1200ccのボクサーツインに乗っていて車体がヒョイと倒れるのだが、これはそうもいかなかった。試乗の段階ではコツがなかなか掴めなかったが、しっかりと体重移動する必要があるだろう。

全体的な感想としては、この小さな車体からは想像できないほどの鼓動とサウンド、そしてトルクを持ち合わせており、乗っていて非常に満足感の高い面白いバイクだと思った。後はキャストホイールやシートの座り心地、ポジションなどは好みの分かれるところ。私の場合はこれらが合わなかったのが残念。

Bonneville T120

水冷並列2気筒SOHC、270°クランク、1200cc。

80ps/6550rpm, 105Nm/3500rpm

車両重量237kg, シート高790mm, タンク14.5L

フロント18inch, リア17inch

 Street Twinの試乗を終えて、すぐにBonneville T120の試乗に移った。

今度は立派なリッタークラスの1200cc、重量237kgと本格的なバイクだ。しかし跨って引き起こしてみると、意外や意外、Street Twinとそんなに変わらない?軽いなという印象。シートの座り心地も上質でとても心地よい。ハンドルポジションもしっくりくる。ブリッピングを何度かしてみる。それほど右手に即座に反応して針が跳ね上がるものではなかった。ここまでの動作でこのバイクから受けた印象は、何というか、非常にソフトで優しさのようなものを感じた。

エンジンサウンドは同じBonnevilleエンジンであるStreet Twinとよく似ている。迫力も同じような印象だ。足つきは数字の通り、Street Twinより若干ではあるが悪いかな、という感じだ。

走り出してからの印象もやはり、優しさを感じるものだった。105Nmのトルクスペックの通り、その気になれば強力に車体を前へ押し出す。が、アクセルに対する出方がマイルドなので、非常に扱いやすいのだ。バーチカルツインの鼓動を楽しみながらゆったりと流したくなるエンジンだ。

スポークホイールはクラシックスタイルのこのバイクにとてもマッチしていて、こちらの方が所有感は高いだろう。一つ気になった点は、私の手にはグリップが太すぎるということだった。左手の親指の付け根がわずか20分程度の試乗で痛くなってしまったので、ここは改善したいところだ。

本日試乗した2台のうち買うとしたら、迷わずT120だ。Street Twinが期待していたほど軽くなかったことに加え、シート、ポジションが合わなかったこと。対してT120には期待を裏切る扱いやすさ、見た目の美しさがあった。1200ccという数字はあるが、それほど肩肘を張らずゆったりと乗れるライディングポジションとバイクの優しい性格から、トライアンフ伝統のバーチカルツインの鼓動とサウンドを全身に浴びながら、ゆっくりと長距離ツーリングに行ってみたくなった。

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