3日目の早朝は雨の音であまり寝られなかった。そこそこ降っているようだ。
朝食は外に出なくて済むので、昨日買っておいたインスタントカップライス「カレーメシ」にした。本当は昨日の晩の締めに食べようと用意していたのだが、お腹がいっぱいだったので諦めたのが良かった。こういう時のためにインスタントものは常に用意しておいた方がいいということを学んだ。
雨中でのテント撤収ほど嫌なものはない。カッパを着てヘルメットを被りながらの作業。今の時期だからいいが、蒸し暑い夏などは大変なことだ。
今日はさらに西に向かい、滋賀県の大津まで行く。念願だったインスタ映えする?メタセコイア並木も通る予定だ。
白川郷は岐阜県であったが、五箇山は富山県である。すでに日本海側に来ていたことになる。白山白川郷ホワイトロードは二輪車は通行禁止になっているので、金沢を抜けるルートしかない。塩硝街道を通り、白山ICから北陸自動車道に乗った。
福井県に入り、金津まで突っ走る。途中で雨は止み、晴れ間が差してきたのでカッパを脱ぐ。三国から日本海沿いを走った。
日本海らしく殺風景な景色が続く。越前蟹漁が解禁されたばかりの越前岬を通る。事前のイメージとは違って荒れた風景が続き、特に止まろうとは思わなかった。
その先の道の駅「越前」で昼食にした。1階のレストランはそこそこの人の入りようだ。こういうところに来たら海鮮系を食べるのが常識だろうが、私は「福井名物」の文字に惹かれてソースかつ丼にしてしまった。「名物」に弱いんだよね…でも美味しかったのでこれにして大満足。かなりボリュームがあったので、夜までにお腹が空くのかが逆に心配になった。
越前を過ぎると道は走りやすくなり、風景も見応えのあるものになってきた。敦賀はもうすぐそこだ。
敦賀。来るところまで来たな、と思った。東京からしたら地球の裏、いや日本の裏といった地理になる。ここまで来るにはなかなか根気がいる。
気比の松原というところで一息入れた。
日本三大松原の一つで17,000本もの松が植えられている。日本三大松原とは、静岡県清水市の三保の松原、佐賀県唐津市の虹の松原、そしてこの福井県敦賀市の気比の松原だ。松の幹って一本一本伸び方がかなり違っていて、見ているだけで面白い。平日ともあって、ほぼガラガラ。静かに休憩することができた。
ここからメタセコイア並木を目指す。日毎、太陽の出る時間は短くなってきているので、少々急ぎ足になった。
何度も画面や雑誌でしか見たことがなかった絶景地にやっと来ることができた。しかも、予定が遅くなったのが幸いして、西日が差しはじめた秋らしい綺麗な並木を写真に収めることができた。
いつの間にか滋賀県に入っていて、琵琶湖はもうすぐそこにあることを伺わせる。そう、メタセコイアは滋賀県高島市マキノ町だ。
ああ、琵琶湖は素晴らしいな。日本離れしたスケール。西日がキラキラと湖面に輝き、海のようだが向こう側に山が見えるのが、湖であることの証だ。
ここで野営したくもなったが、今晩はお勉強も兼ねてのゲストハウスに宿泊する。
大津の町屋を改装した「粋世」。元々は昭和8年に建てられた米問屋。建築会社がオーナーで、全面改装しゲストハウスとしてオープン。ゲストハウスだから、外国人の利用も多いはず。中に置いてある街案内などのパンフレットは英語表記のものも多かった。この晩もトルコからの来日客がいらしていた。ただ、土日や日本の連休時などは、8割が日本人客とのことだった。それもそのはず。2017年に登録有形文化財に指定され、宿の評価も抜群に良く内装もお洒落にまとめられており、とても築80年以上とは感じさせない。つい訪問してみたくなってしまう宿だ。かく言う私もその一人。
少し遅い晩御飯は、大津の街中の町屋居酒屋で地酒を堪能した。
Yasu
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